「敗因と」 第1章 --- 愛憎 --- P.34 〜

P.34 〜 (文:戸塚 啓)

ジーコ
「高原、柳澤、福西にチャンスがあった。駒野から中田英へのパスもずれてしまった。何回も練習してきた形なのに・・・。4回もチャンスを逃したら国際試合では勝てない」
「なぜそこまで打ち急いでチャンスを潰してしまうのか理解できない」
「高さ対策はどれだけやっても100%防げるものではない。だから得点を取ることを考えるべきだ。そのためにシュート練習をやっていた。どんな相手でも決定的チャンスは作れるようになっているんだからイージーなボールを確実に決めれるようにするべき」
「柳沢がシュートミスをしたけど、あれを外してしまったら! 高原がふかしたシュートもあった。ああいうのを決めておかないと。柳沢は目の前にGKがいたわけじゃない。GKはニアサイドから戻る途中で、ゴールの正面は空いていた。押し込めばいいだけだ。彼には10年間言い続けてきた。ああいう場面では、、左足のインサイドで確実に蹴るんだ、と」

ブレッシャーノ
「日本のFWは良かったよ。いいプレーをしていた。でもゴール前では『足がなくなっちゃう』とでもいうのかな。あと一歩のところが足りなかったんじゃないかな」
「オーストラリアにとって悪い方向へ、試合が進んでいたのは確かだったな」

ブランキー
「最後の8分間が問題ではない。日本はそれ以前に敗れていた。最初の1時間はいい試合をしていたのだから、その間に2点目をとっておかないと後で大きな代償を払うことになる。それがサッカーというもののルール」
「日本にはいいFWはいるが、ドイツ大会にぴたりとタイミングを合わせてスパークする選手がいなかった。オーストラリアにはジョン・アロイージがいた」